弊社のお茶は多品種、多種類のお茶をブレンドして作る独特の旨みと味わいを追及しています。
品種も全国で一番多い『やぶきた』をメインにせずに、やぶきたより旨みと葉緑素がたくさん含まれる『あさのか』やコクの強い『ゆたかみどり』を主体にブレンドしている他にはない味を生み出しています。
さらに収穫前に遮光してお茶の旨みと葉緑素を引き出す『被せ茶』栽培を行っています。
それも、通常1週間程度被せるものを弊社は2~3週間被せを行い、じっくり旨みと色を深めています。
また、収穫時に伸びた芽を上の柔らかい芽と下のやや硬めの芽を2回に分けて収穫する『2段摘み』を行っています。
普通に一回で収穫できるところを2回収穫し手間暇かけるのにはわけがあります。
上の葉は柔らかく香りと旨みがあり、下の葉は繊維が多く緑が濃いので、それを同じように蒸して加工しても、綺麗に蒸せずに均一にならないからです。
だからこそ、別々に摘んで上の葉・下の葉に適した加工を行うように心がけています。
お茶の旨みは窒素成分内のアミノ酸です。
どれだけ旨みを乗せるかは肥料の窒素成分をいかに効率よく吸収されるかで決まります。
『お茶の味は畑から』『生葉以上のお茶は加工では作れない』という教訓を胸に茶園管理と土づくりが基本と考えています。
また、県の農業研究部と協力しながら、出来たお茶の成分分析を随時行い、どのような天候でも窒素含有量が最低6%以上有するように努めています。
2段摘みで加工を変えることで深蒸し特有のコクとまろやかさと、上の葉の持つアミノ酸の旨みを融合させることで、ただ緑が濃く甘いだけの深蒸し茶と違い、旨みの中に渋味・苦味も残し、甘みを感じるが後口がすっきりしたお茶に仕上がっています。
当茶園では、『必要な栄養を必要な分だけ』をモットーに環境に配慮した『適期適性施肥』を行っています。
必ず年1回土壌分析を行い、必要な肥料分だけ上げて、過剰な成分はあげないようにしています。
当茶園のある豊後大野市千歳町は阿蘇山の火山灰土壌ゆえに水はけが良く、根が張りやすいので非常にお茶に適した土壌なのですが、肥料成分が雨水で地下に流れ落ちやすく、肥料持ちが悪いという欠点があります。
だからこそ過剰な肥料は地下水や河川の汚染の原因となるので、土壌分析による施肥設計は欠かせません。
さらに、環境と美味しさを両立するため、肥料にも拘ります。
一度に溶けるが、流脱も激しい肥料の使用を極力抑え、緩やかに溶けて常に一定で必要分だけ栄養補給できる緩効性の高い肥料を使用しています。
そして、その肥料成分が効率よく吸収できるように、土壌分析からお茶の木に最適な環境の塩基バランスに整えています。
つまり肥料分が一気に流れ出るの抑えつつ、大雨や干ばつでも安定して栄養を与えられる施肥を行い、天候不順に負けないお茶作りをしています。
上の葉と下の葉を2回に分けて摘採することで、加工にも拘っています。
上の葉は柔らかく綺麗に撚れ、旨みと新茶の香りが強いので、できるだけ蒸しを強めず、葉を痛めないように加工します。
下の葉は緑が濃く繊維が多いので、強い蒸しにも耐えられます。
だから上の葉より繊維が崩れるくらい強く長く蒸します。
それにより、綺麗で香りと旨みのある上の葉と、深蒸しで色が濃く出て、コクのある下の葉をブレンドし、味・色・香りの高いお茶を実現しています。
お茶は旨み・渋み・香りの絶妙なバランスによって『美味しさ』が決まります。
また飲む季節よっても感じ方が変わります。
だからこそ、季節によって仕上方法も少しづつ変えています。
新茶の収穫したばかりの5~8月は弱めの火入れで新茶特有の香りを残し、お茶本来の風味を生かします。
寒くなり始め、温かいお茶が美味しく感じられる9月以降は火入れを強めて香ばしさを出します。
火入れが強くなると水色(お茶を淹れた際の湯の緑色)が赤くなりやすいので、通常の直火釜の火入れはせず、時間と手間はかかりますが熱風で火入れを行います。
そうすることで、水色の劣化を失わず、香ばしく仕上げることができます。
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